はじめて不動産賃貸営業マンとして配属され、まず悩むのがその土地を知らないことじゃないでしょうか。今回はそんな悩みを持つ営業マン向けに解説をしていきます。
簡単に言うと営業エリアで知っておきたいことというのはとりあえず3つです。だからといってこの3つが完璧でなくてはいけないというわけではなく、優先的にこれがわかるようになればそのエリアで活躍がしやすいという意味なので、気軽に取り組んでもらうための道しるべになればと思っています。
不動産賃貸営業マンが営業エリアで知っておくべきことは3つだけ
先ほど冒頭でお話しした通り、ポイントは3つになります。
- スーパーマーケットや大型商業施設の位置
- 近隣の道路
- ざっくりとしたエリア特性
この3つをとりあえずざっくり頭に入れることができれば、けっこう何とかなります。それではそれぞれについて詳しく解説していきますね。
スーパーマーケットや大型商業施設の位置
これはやはり重要です。というのも、生活をするうえで例えば食糧をどこから調達してくるのかというのを知っているかこれから探すのかではかなり利便性が変わってきます。
単身でもファミリーでも食事をしなくてもいいという人はいません。もれなく買い物には行くはずです。少なくとも週に1度、多ければ毎日行くことになるかもしれません。
そこでやはり知っておきたいと思うのがスーパーマーケットや大型商業施設の位置です。大型商業施設と言っていますが、これはスーパーマーケットが近くにない場合です。大型商業施設内にはほぼスーパーマーケットも入っていますからね。
コンビニは?と思う方もいると思います。確かにコンビニを知っているのもいいのですが、正直数が多すぎるので無理だと思います。そして、お客様側としてもさすがにコンビニを把握していてほしいとまでは思っていません。コンビニについてはお部屋を探しながら、Googleマップでチェックすれば問題ありません。
近隣の道路
自分の営業エリアの主要道路がどのように通っていて、どこにどうつながっているかを知りましょうという意味です。
路地裏の細かい道などを最初から覚える必要はもちろんありませんが、幹線道路や国道などの大きな道や、地元の人が良く使う主要道路などは知っておきましょう。これが頭に入っているかどうかは、お客さまの案内時にとても役に立ちます。
というのも、やはりお客さまはエリアに詳しい人の方が信頼してくれやすいですので、知ってる感を出せるかどうかは結構決定率に影響します。
自分の営業担当が案内中ずっとナビ頼みだったらちょっと頼りなく感じませんか?僕なら感じますし、自分の営業エリアなのに知らないんだなと少しがっかり素らしてしまうかもしれません。
ざっくりとしたエリア特性
ざっくりでいいので、この辺りはこんな感じといったようなエリアの特性を知っておいてください。例えば、駅の西口はあまり栄えていないけど閑静な住宅地、東口は少し栄えていて居酒屋さんや飲食店が多いとか、こんな感じでいいです。
できれば駅徒歩15分圏内くらいのエリアについては、地域ごとの特性を知っておくといいと思います。どんな内容を伝えられればいいかについては下にまとめておきます。
- 街の雰囲気
- 住んでいる人
- 道の広さ
この3つの軸でとらえればOKです。簡単に解説します。
街の雰囲気
あなたが実際に行ってみて感じた雰囲気をそのまま伝えれば基本的にOKですが、注意点もあります。それは、できるだけポジティブに伝え、デメリットも少し出すことです。
できるだけポジティブに伝えるというのはなんとなく理解できると思うのですが、必ずちょっとしたデメリットも出しましょう。人はメリットだけだと騙されたような感覚になることがあります。メリットばかりだと不安になってしまうので、不安を減らすためにもちょっとしたデメリットは効果的です。例えば
「とても閑静な住宅地で明るい雰囲気です。でも夜は街頭が少ない道もあるので、もし不安であればそこは避けた方がいいかもしれませんね。」
といった感じです。
住んでいる人
これも実際そのエリアに行ってみて感じたことでOKです。言い方としては
「この辺りは単身者向けマンションが多いので単身の方が多いエリアですね。」
「分譲マンションの多いエリアなのでファミリーが多いですよ。」
といった感じです。これはべつに周りにどんな人が多いのか気になるというよりは、周りにどんな人が多いか知っておけたことでちょっとほっとするくらいの話です。でもこのちょっとした安心感が後の大きな信頼へとつながるので大切なポイントです。
道の広さ
そのエリアの道の広さを感覚的でいいので伝えます。クルマを持っている人や、女性に特に刺さりやすい情報の一つです。
「この間も軽自動者で通りましたがちょっと狭く感じるかもしれません。」
「片側1車線のゆったりした道路で歩道もあっていい感じですよ。」
道路の話は雰囲気や感覚が伝わればOKです。さらに詳しく知りたいという人は現場に連れてった方が早いので連れていきましょう。
エリア情報入居者属性別ポイント:単身者はとにかく利便性重視
ここからは簡単に入居者別に刺さるポイントをざっくりとお伝えしようと思います。まずは単身者編です。
単身者はとにかく利便性
基本的に単身者はサラリーマンか学生さんです。この方たちの共通点は、ほぼ毎日通勤か通学をするためほぼ家にいません。朝早く出かけて行って、夜帰ってきます。多少人にもよりますが、帰って寝るだけに近い状況の人が多いので、利便性重視の方が多いです。
家から駅までの通り道にコンビニかスーパー
単身者の必須条件は近くにコンビニがあることだと思います。できれば徒歩3分圏内にあるとベストなので、もし推そうとしている物件近くにコンビニがあればおススメポイントになりますので伝えましょう。
最悪近くになかったとしても駅までの通り道や家までの帰り道沿いにあればかなり便利なので高評価になりやすいです。スーパーがあることもポイントが高いので押さえておいてください。
駅から近くて便利であること
とにかく単身者は駅から近くて便利であることが理想なんですが、この駅から近いという部分に実はポイントがあります。それは、駅近というのは個人差があるということです。
例えばぼくの場合の駅近は徒歩3分です。でも、人によっては徒歩10分も駅近ですし15分の人もいます。この辺の感覚は人によるので、しっかりヒアリングしてお客さまの本質を探ってください。
エリア情報入居者属性別ポイント:ファミリーは生活重視
ファミリーの場合も大きくまとめれば利便性なんですが、ちょっと単身者とは軸が違います。家族で生活することがイメージしやすいかどうかなので、生活の利便性に重きを置くことが多いです。
専業主婦家庭なら近隣にスーパーが激刺さり
専業主婦のご家庭の場合は、お母さんが買い物に行って家事をすることがほとんどです。家族全員分の食事の準備や家事をするとなるともちろん買い物に行く回数も多くなります。
コンビニも便利ですが、やはりスーパーマーケットが近くにあることが理想です。かなり喜ばれますのでやはりスーパーは押さえておきましょう。
子どもの生活にも配慮を
保育園幼稚園はそれほど気にする必要はないですが、小中学校は気にしてあげてください。学区の問題もありますし、あまり遠いとやはり不安です。小中学校の学区は区市町村のHPで簡単に調べられますので、プリントアウトしてすぐに出せるようにしておくと便利です。
【番外編】営業エリアの学区情報はファミリーに激刺さりします
先ほども少し触れましたが、学区の情報はファミリー、特にお母さんに激刺さりします。エリアにもよりますが、特に首都圏だと、特定の小中学校を狙って引っ越してくるご家族がいらっしゃいます。
これらの方は学区で引っ越し先を選ぶため、かなり物件の条件が狭く難しいのですが、狭い分ぎゃくに物件があれば決まります。また、その学区内の情報を少しでも持っていると、参考になるとかなり喜んでもらえますよ。
まとめ
新しい営業エリアに配属になった際にまず覚えてほしいのは3つでした。
- スーパーマーケットや大型商業施設の位置
- 近隣の道路
- ざっくりとしたエリア特性
完璧に覚えなくてもいいですが、これらがわかるようになっていればけっこう営業時に困らないので押さえておくといいと思います。基本的にこの3つでいいのですが、さらにもし余力があるのであれば、単身向けファミリー向けといった特性別の情報もあるとより良いと思います。
また、情報収集をするうえで最も大切なのは「自分がどう感じたか」という視点です。お客さまは一般的な情報は必要ありません。それこそネットで調べればわかるような情報はすでに調査済みの場合もありますので、あなたが実際にそのエリアで何を感じたかに興味があるんですね。実体験が上手く伝えられると、信頼関係も築きやすくなります。
新しいエリアに来たばかりだと不安なことも多いと思います。でも、しっかりと自分のやることをやっておくことができればかならずお客さまには伝わります。自身をもって接客することがなによりも安心感を与えます。
なによりもまず堂々と、今日お伝えしたことを思い出しながら接客してみてください。
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著者であるぼくが賃貸営業マンとして成功するために何を考え行動したのかのすべてをここに詰め込みました。できるだけ再現性、汎用性が高く、誰もがマネできることを一番に考えて執筆しています。
「絶対に成功してやる!」みたいなやたらとモチベーションが高い人向けというよりは、不動産賃貸営業マンになりたくてなったわけじゃなかったり、なってみたはいいけれどなんだかうまくいかないといった方に向けて書いています。