不動産賃貸営業という仕事は、けっこう大きな金額を扱う仕事です。安くても10万円はこえますし、高ければ100万円を超える契約もあります。
今回はその金額提示のやり方についてお話しするのですが、このタイミングややり方を間違えてしまうと、その契約が一瞬でパーになってしまうことが結構あります。しっかりと売上を積み重ねていくためには、こういったミスを減らしていくこともとても重要です。
契約金提示のやり方のコツについて最も大事なことは少し多めの金額を事前に伝えておくことです。こうすることで金額金支払いへのハードルを下げておくことができます。
この記事を読んでもらえれば、金額提示のタイミングで契約が破談になるといったリスクを減らすことができるようになります。このリスクマネジメントができるようになるというのはけっこう重要なスキルになりますので、しっかりとモノにしておくことをおススメします。
それではさらに深堀して解説していきますのでちょっとだけお付き合いくださいね。
不動産賃貸営業マンの契約金提示のやり方【多めに伝えるのが鉄則】
先ほども簡単に話しましたが、契約金提示のやり方を間違えてしまうと、信頼を損ない契約が白紙に戻ってしまうということが結構よくあります。
契約金を提示するということは、気に入る物件が見つかったということになります。それなのに白紙になってしまうのはなぜなのかについてをまずは簡単に解説しておきます。
契約金が思っていたよりも高かった
契約金提示の段階で契約が白紙になるケースの最も多い理由が「契約金が思っていたよりも高かった」ということです。
こちらは不動産賃貸仲介のプロですので、何件も契約に携わっており、なんとなくこのくらいかかるというのは予想できます。また、それなりに高額になるのが当たり前というのが染みついてしまっているので、高い金額になってしまったとしてもあまり驚かなくなってしまっています。
ところがお客さまは違います。完全なシロウトです。
もしなんとなく初期費用がけっこうかかることは知っていたとしても、その金額が30万円になるのか50万円になるのかはよくわかっていないことがほとんどです。そして、ほとんどのお客さまが、かかる初期費用の相場よりも安く済むと思っています。
簡単に例を出すと、このあたりの1Kの相場的に初期費用は40万円くらいだとしたならば、おきゃくさまは30万円くらいで済むと思っているというような感じです。なぜこのように相場と違ってくるかというと、昔はかからなかった保証会社の料金や、鍵交換や消毒といったオプションについて認識がないことが原因のようです。
内見に行くより前にちょっと高めの初期費用を言っておく
30万円くらいで済むと思っていたのに、実際ふたを開けてみたら40万円でしたではお客さまが躊躇してしまうのもわかるかと思います。これでは白紙になってしまいます。
こうならないためにも予防注射のように先手を打っておく必要があります。要するに、先に大まかな初期費用を伝えておきましょうということです。
そして、この初期費用の概算提示の段階でとても重要なことがあります。それはずばり、ちょっと多めの金額を言うことです。
これは、わざとちょっと盛りましょうということではありません。一般的に契約した場合このくらいですよという目安を伝えましょうということです。一般的にと言うのがどういうことかというと、今現在の一般的な礼金敷金でということになりますので、礼金1か月分、敷金1か月分で計算した場合ということです。
これに、前家賃1か月分、火災保険や鍵交換などのオプション類、仲介手数料、保証会社費用などを含めた金額の大まかな値段を伝えます。ここではざっくりの値段を言えればいいので、大体家賃の5~6倍の金額を伝えてください。
なぜざっくりでいいかというと理由は2つあります。
- 物件ごとにしっかり計算していたら時間がかかる
- 目的は明細提示ではなく概算をイメージさせること
理由はこの2つになります。それではもう少し詳しく解説します。
物件ごとにしっかり計算していたら時間がかかる
内見に行くことになるとして、行く物件が1件だけということはまずありません。稀にもうほぼほぼ条件が固まっていて、目当ての物件が決まっている場合などもありますが、そういった場合でももう1件比較対象を出してみてもらうというのが通常です。
できれば内見は3件行きたいところなので、その3件分全部について正確な明細を出していたらけっこう時間がかかってしまいます。大事なのは概算を出し、イメージしてもらうことなので、明細を作成する必要はありません。
目的は明細提示ではなく概算をイメージさせること
上記でも述べましたが、大事なのはあくまでも概算をイメージさせることになります。大体このくらいかかるんですよという話ができればOKなので、家賃の5~6倍の金額をざっくり伝えておけばOKです。
不動産賃貸営業マンの契約金提示のやり方【あくまでも概算ですという提示がミソ】
なんとなく契約金提示のやり方はここまでで理解できたかなと思いますが、最後にもう一つだけポイントがあります。それは「この金額はあくまでも概算です」というのをしっかりと伝えておくことが大事です。
「もう少し安くなると思いますが・・・」という前置き
一つテクニックを伝えておくと「もう少し安くなると思いますが・・・」と前置きして提示するのがポイントです。というか、これを言っておかないと、そもそも契約金が高い会社みたいだから他に行こうとなってしまうので、絶対言わないとまずいです。
なぜ契約金を高めに伝えているかというと、本当の金額を安く見せるためだったりします。
「なんだ、言っていた金額より安く済んだじゃん。」
と思ってもらえれば大成功というわけです。そのためにもしっかりと伏線を張っておかなくてはなりませんので
「もう少し安くなると思いますが、普通に契約するとこのくらいの金額が一般的です。」
といった感じで、相場を理解してもらうように話すのがコツです。
タイミングは内見の前か物件提案時
もう一つ大事なのがタイミングです。このタイミングについては内見の前か物件の提案時にして下さい。
また、この概算提示はすべてのお客さまに行ってください。稀に「初期費用はあまりきにしていない。」というようなお客さまがいらっしゃいますが、こういう人にももれなく概算提示します。というのも、本当に気にしていない人などいませんし、そもそも相手のイメージしている金額が安い可能性があります。
物件を提案しているタイミングで、その家賃×5~6くらいかかりますよというのを言っておけば、お客さまとしても部屋が選びやすくなります。
もう少し安くしたいと言われたらしっかり計算
このタイミングでもう少し安い物件はないかという話になれば、しっかり計算して明細を出しましょう。ここで面倒くさがってはいけません。
むしろ、このタイミングでこれを言ってきてくれる方はけっこう決めてくれるお客さまです。経験的にかなり自信があります。
お金を気にする人は、ハードルがお金だけなことが多いので、金額さえ何とかなればけっこう何とかなるんですね。ちょっとしたプチ情報ですが、意外と覚えておくと得するかもしれません。
まとめ
今回は契約金の提示のやり方についてお話ししました。賃貸営業マンはたくさんいますが、この契約金提示を適当にやってしまうことで契約が白紙になってしまう営業マンがほとんどだと思います。
契約金提示は多めに言うのが鉄則です。家賃の5~6倍くらいの金額が相場ですと伝え、大体このくらいですと提示してあげてください。これは特に明細を出さずに、口頭でざっくりで問題ありません。
タイミングは内見前、物件提案時です。家賃に5~6をかけるだけなので、簡単に計算できると思います。ここで目安を伝えておくと、お客さまもかなりイメージがしやすくなるので単純に助かります。
意外と当たり前に聞こえる内容もあったかもしれませんが、これができるだけでかなりキャンセルは減ります。実際に僕が体験し実践しているので間違いありません。それほど難しい内容でもないので、ぜひ実践してみてください。
出し方や言い方はそれぞれやりやすい方法があるかと思いますので、自分の方を見つけてより良い提案ができるようになるといいなと思います。
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著者であるぼくが賃貸営業マンとして成功するために何を考え行動したのかのすべてをここに詰め込みました。できるだけ再現性、汎用性が高く、誰もがマネできることを一番に考えて執筆しています。
「絶対に成功してやる!」みたいなやたらとモチベーションが高い人向けというよりは、不動産賃貸営業マンになりたくてなったわけじゃなかったり、なってみたはいいけれどなんだかうまくいかないといった方に向けて書いています。