営業マンにはクロージングという作業があります。これは顧客と契約締結を行うことを意味していて、要するに決めてもらう作業のことになります。
クロージングをしない営業職というのは基本的に存在しないので、営業マンはもれなくこのスキルを習得すべきだということになります。今回は賃貸仲介営業マンのクロージングのコツと実践的なやり方ついてお話しします。
賃貸仲介営業マンのクロージングのコツはずばりタイミングです。いつ行うかが非常に重要で、そのタイミングを間違えると決まりづらくなってしまうことはもちろんですが、無駄に営業活動を行う羽目になることもありますので非常に大事です。
賃貸営業マンのクロージングのコツはタイミング
クロージングは最後に行うというイメージが強い方が多いのではないかと思うのですが、賃貸仲介営業マンの場合はちょっと違います。正確に言うと、最後にももちろん一押しすべきなのですが、もっと早い段階でクロージングを済ませておくことで、決定率を上げることができ、効率も上げることができるんです。
ではいつすべきなのか?答えは内見前です。内見に行く物件を3件に絞って、内見の手配をする前にクロージングを行ってしまうのが最も良いタイミングで、賃貸仲介営業という仕事のクロージングのコツなんです。
どうしてこのタイミングがいいのかというと、理由は2つあります。
- 当日申込になりそうかどうかの見極めができる
- 案内に行くべきかどうかの見極めができる
当日申込になりそうかどうかの見極めができる
これが結構重要です。今日申込になりそうなのか、申込にならなそうなのかがなんとなくイメージできているかどうかで内見時の営業の仕方が変わります。
申込になりそう
この場合はどれかに決めてもらうための案内をします。決めてもらうために必要な情報はすべて持っておきたいので、内見に行く前に
- いつから入居になるか
- 契約入金の流れ
- 契約金のだいたいの額
- 審査の流れ
- 必要な書類
について先に確認を取っておいてください。
内見時には物件の確認もそうなんですが、物件によって今後どういう流れになっていくのか、契約金はいくらぐらいになるのかをその場で話しながら選んでもらうようにしてください。
申込にならなさそう
申込にならなさそうな場合は、具体的な話をするというよりは、物件の確認を重視する方向で行きましょう。この時に調べておくのは
- いつから入居になるか
- 契約金のだいたいの額
この2つだけで問題ありません。もちろんお客さまに聞かれればすぐに他の項目んもチェックしなくてはなりませんが、基本的にこれだけ押さえておけば問題ありません。
案内に行くべきかどうかの見極めができる
内見案内は時間がかかります。エリアにもよりますが、営業店舗から近い物件でも1件あたり30分はかかります。遠い物件となれば1時間くらいかかってしまうこともありますので、けっこう時間を使う割合が高いのが内見案内です。
閑散期はそれほど頻繁にお客さまがくるわけではないので、繁忙期に比べ多少時間を使って案内すべきだと思いますが、繁忙期に時間をかけて案内をしていてはトップ営業マンにはなれません。
案内に行くべきお客さまなのか、案内に行かないべきお客さま(再来店にする)なのかどうかを見極め、行くべきでないお客さまに対して無駄に時間を使わなくて済むようにしなくてはなりません。
そのためにもクロージングは内見前に行い、そもそも内見に行くべきなのかを見極めておきたいんです。
内見前クロージングのやり方【実践編】
それでは実際にどのようにクロージングをすべきなのかについて解説します。ここでやってほしいことはけっこうシンプルで難しいことではないので是非覚えて明日から使ってみてください。
いくつか物件をご紹介し、3件気になる物件を絞れたとします。そのあと通常なら内見の手配をとって内見案内をするのですが、手配をする前にこう聞いてください。
「まだ見ていないので何とも言えないとは思いますが、もしこの3件の中にいいなと思う物件があれば、その物件に決められそうですか?」
聞く質問はこれだけで十分です。そして、この後なんと返ってくるかで、何件内見に行くべきかを決めます。
- 「いいのがあれば決められると思います。」
- 「うーん。行ってみないとわかりませんね。」
- 「他のエリアも見て見たいのでとりあえず見て見ないとなんとも。」
- 「今日は決めませんが、見るだけ見ておきたい。」
1、「いいのがあれば決められると思います。」
これは言うまでもなくすぐにでも全件内見に行くべきお客さまです。ここまで前向きな返答が来るようであれば、物件選定に問題がない限りまず決めてもらえます。
2、「うーん。行ってみないとわかりませんね。」
これが一番悩むやつなんですが、内見には行きましょう。もし内見する物件が4件以上になってしまっている場合は、3件まで絞ってあげてください。基本的に4件以上案内すると決定率が落ちますし、何より時間がもったいないです。
お客さまに
「この中でベスト3を決めるとしたらどれですか?」
と質問をして、3つを選んでもらってください。そして
「この中ベスト3の物件をみてもしピンと来なければ、残りの物件も見に行けるようにしておきますね。」
とつなげます。もし選んだ3件で決まらなければこの場合ほぼ間違いなく他の候補も見て見たいといわれますので、必ず逃げ道は作っておいてください。
3、「他のエリアも見て見たいのでとりあえず見て見ないとなんとも。」
この場合は、一番気になっていると思われる物件を1件だけでいいので内見に行きましょう。2件も3件も見に行っても、どうせ別日で別エリアに行ってから決めるという流れになりますので当日には決まりません。もちろん、別エリアというのが比較的近くなのであれば、自社でまとめて紹介してしまえばいいので、そのお客さまの別エリアまで紹介していいかどうかは店舗責任者に確認をしてください。
1件でいいので内見には行きましょう。ここで横着して内見に行かない方向にしてしまうと、お客さまからの信頼を失ってしまうことが多くありますので注意してください。
4、「今日は見るだけ見ておきたい。」
この場合はまず当日決まりませんが、その見ておきたい1件だけは内見に行きましょう。そして、再来店を促してください。
もし案内した物件がいい感触であれば
「この物件が空いているうちにもう一度来ていただきたいのですが、最短でいつ来れますか?」
と聞きましょう。もし感触がよくなければ
「気になる物件を見ておいてよかったですね。また少し条件を変えて探しなおしますので、次はいつ来れそうですか?」
と言って、再来店をその場で組んでしまうようにしてください。
まとめ
- 賃貸営業マンのクロージングのコツはタイミング
- 内見前クロージングのやり方【実践編】
今回は以上の2点についてお話ししました。
クロージングは内見に行く前に完了させておきましょう。こうすることで、その後の行動の無駄がかなり削減できます。
クロージングは内見から戻ってからやっている営業マンが多いのですが、それだと内見時という一番決めるか決めないかの判断材料が多いタイミングで営業がかけずらくなってしまいます。クロージングは内見前にある程度完了させておくことで、内見時に確認しておくべき項目なども明確になりますし、なによりお客さま自信が決める気で部屋を内覧してくれます。
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著者であるぼくが賃貸営業マンとして成功するために何を考え行動したのかのすべてをここに詰め込みました。できるだけ再現性、汎用性が高く、誰もがマネできることを一番に考えて執筆しています。
「絶対に成功してやる!」みたいなやたらとモチベーションが高い人向けというよりは、不動産賃貸営業マンになりたくてなったわけじゃなかったり、なってみたはいいけれどなんだかうまくいかないといった方に向けて書いています。