「賃貸仲介営業はきついですか?難しいところはなんですか?」
という質問をよく受けます。この問いについて結論から言うと、僕は結構メンタル的にきつかったなと思います。ただ、だからこそ強くなりましたし、成長速度は速かったと思います。
その後他業種の営業マンとしてしっかりと結果を出し、通用したのも完全に賃貸仲介営業マンを通ったからだと自信をもって言えます。
じゃあ実際のところ何がきつかったのか。僕が思う賃貸仲介営業が他の営業職と比べてきついと思う理由は次の通りです。
- 売上のストックが少ない
- 売上が確定するまでに時間がかかる
- 突然のキャンセル
ただ、本当にきついかどうかは正直個人差なので、僕の先輩には何人も、ずっと賃貸仲介の営業マン一筋という人がいます。
その方たちに「賃貸仲介営業はきついですか?難しいところはなんですか?」と聞くと
「売上が上がらないときはきついけど、難しい仕事ではないよ。」
とほぼ全員が言っていました。そして、きついというのも僕がきついと感じている理由と同じでメンタル的にきついという意見。
僕はさっきもちょっと触れましたが、賃貸仲介以外にも営業職を経験しています。その経験から言わせてもらうと、営業職である以上その業界に行ったとしてもある程度メンタル的にはしんどいかと思います。
だからこそ営業職というのはほかの業種と比較して給与が高かったりするわけです。
ぼくがいた会社はどこにもノルマというものはなかったですが、目標は当然ありました。営業マンとして働いていて、この目標に届かないというのはプライドの高い僕的には結構しんどかったです。
目標に届かないという事は、会社の期待に応えられていないという事でもありますし、結構悩んでしまうこともありました。
一般的なと言うと語弊があるのかもしれませんが、賃貸仲介営業と他の営業と比較すると、ぼくは賃貸仲介営業の方が若干ですがメンタル的にきつかったです。
じゃあなんでメンタルがきついのか。
また、他の営業職と比べてもメンタルがきつくなりやすいのはなぜなのか、先ほど挙げた3つの理由についてもうちょっとしっかりと深堀して解説していきますね。
賃貸仲介営業がきついと言われる理由1:売上のストックが作りづらい
これが一番の理由だと思います。
売上のストックとは先月以前にとっておいた契約の売上のことです。賃貸仲介営業では、契約の開始日によって売上がつく月が変わります。
不動産賃貸営業マンが当月の売上を上げるために意識すべき2つのコツという記事で当月の売上の作り方については解説しています。当月とか次月ってなに?という人はコチラも読んでおいてくださいね。
例えば保険屋さんの場合、契約をとるとその後半年間ぐらい数万円が毎月歩合として入り、その後も毎月、その契約が解約にならない限り数千円は入ってきます。要するに、一度契約をとるとわずかではありますが将来の歩合ストックが作れます。
売上の目標は当然ありますが、契約を積み重ねていけば、数年後には営業をあまりかけなくてもストックだけでなんとかなるなんてことが起こります。ベテラン保険営業マンがほとんど営業活動をしていない理由のひとつですね。
また、既存の契約者から紹介が入りやすくなっていくので、新規開拓しなくても横展開できていくので、長くやればやるほど、基本的には楽になっていきます。
賃貸仲介営業はここが違います。
すべての契約がいうなれば単発の売上なので、その後も毎月いくらか入ってくるということはありません。
毎月単発の契約を積み重ね、売上目標を達成していかねばなりません。不動産賃貸仲介営業マンがメンタル的にしんどくなってしまう大きな理由です。
賃貸仲介営業マンの給料の魅力は歩合給にあるという話は以前もしています。裏を返せば当然、売上を高い水準で作れなければ魅力的な歩合給を稼ぎ続けることはできないという事なので、安定的に高い売り上げを作り続けなくてはいけません。
先月から繰り越してきた売上と
今月積み上げる売上のみで売上を作らねばならない
というのがメンタル的にきついと感じてしまう大きな要因のひとつです。
でも、ちゃんとメンタル的にきつくならないようにする方法はあります。それは先月から繰り越してきた売上(繰越売上)をしっかり作っておくことです。
繰越売上がしっかり作れていれば、かなりメンタル的に楽になります。繰越売上の目安は売上目標の60%です。これが毎月しっかりと作れていれば、正直この仕事はかなりメンタル的にもイージーになってきます。
賃貸仲介営業がきついと言われる理由2:売上が確定するまでに時間がかかる
賃貸仲介の契約というのは実は鍵渡しが完了するまではキャンセルすることが出来ます。
契約書類のやり取りが完了していても、契約金の入金が完了していても、鍵渡しが完了していなければ原則キャンセルができます。とはいえこれはあくまでも法律的な判断という事であって、モラル的に言えば完全にアウトです。
家主さんに迷惑が掛かってしまうことはもちろん、ぼくらにとっても超迷惑ですよね。ただ、法律的にはOKになってしまうという事実がある以上どうしても不安がよぎってしまうというのはあります。
申込から鍵渡しの完了までは最短だと1日(当日)で可能ですが、ほとんどの契約が1週間から長いと1カ月程度かかりますので、その間キャンセルになるかもしれないという漠然とした不安が付きまとうことになります。
すべての申込がキャンセルになるわけではないので、すべての申込に対して不安になる必要はありません。そもそもキャンセルにならない申込の方が多いので、そこまで深く気にする必要はないんですが、全く気にならないということもない為多少負担にはなってきます。
だいぶ不安をあおってしまったかもしれませんが、契約金の入金が終わって契約も完了ている状態で鍵渡し直前になってキャンセルということは経験上ほとんどありません。
でも、契約は終わったが入金がまだだったり、入金は終わったが契約がまだというようにどちらかがかけてしまったりしていると、キャンセルを誘発しやすくなりますので注意が必要です。
キャンセルを防ぐためには契約と入金という超大切な2つのプロセスを最速で済ませてしまうことがとても重要になるということですね。
※キャンセルを防ぐ方法はこちらをご覧ください。
できるだけキャンセルを防ぐ努力を行い、その努力を自分の当たり前にしておくことができるようになるとこの不安はかなり軽減することができます。
賃貸仲介営業がきついと言われる理由3:想定外の突然のキャンセル
できるだけキャンセルを防ぐ努力を行って万全の態勢で契約に望んでいたとしても、突然やってきてしまうのがキャンセルです。正直こればかりはどうしようもありません。中にはちょても自己中心的な理由でキャンセルをしてくる非常識なお客さまもいらっしゃいますが、どうしようもないかなり切実な理由でやむなくキャンセルになってしまうという方もいらっしゃいます。
こういったキャンセルはこちらの不備云々もありますが、どちらかというとお客様側のプライベートな理由が原因であることがほとんどです。
- 転勤が無くなったので引っ越す必要がなくなった
- 婚約相手と結婚する話がなくなった
- 転職しようと思っていたがやめてしまった
などなど。先ほどもちょっと話しましたが、申込をキャンセルするための嘘なこともありますが結構リアルに事実なこともあります。
もうこればかりはどうしようもありませんので、潔くあきらめるしかありません。
いつまでも気に病んでいてもどうにもならないので、悩むだけ無駄です。
しっかりと次へ切り替えて、次のお客様に全力投球することが大切です。ここで切り替えができなくなってしまうと、次の契約ごとに支障が出てきてしまいます。そうなれば売上づくりに影響が出てしまうことは言うまでもないでしょう。
まとめ
賃貸仲介営業はきついって本当?他の営業職との違いとは?について、主にきついと感じやすいポイントは3つです。
- 売上のストックが少ない
- 売上が確定するまでに時間がかかる
- 突然のキャンセル
総合職や事務職などに比べると給料は間違いなく高いですが、その分つらいと感じやすいのが営業職です。その中でも他と比べて少しつらいかなと感じる賃貸仲介業ですが、慣れてしまうとそこまで難しくない職種であることも事実です。
特性をしっかりと理解して切り替えることができれば、経験がなくても高収入を稼ぎだしたり、高収入を維持したりすることが容易な業種でもあります。
デメリットともしっかりと向き合い、経験を積んでいけば、他の営業職と比べて早く一流になることも可能です。
ぼくはまぁまぁ苦労したかなと思っていますが、ぼくがその苦労の中から学んだことをここで公開することで、ぼくの記事を見つけて熱心に読んでくれているあなたが少しでも無駄な苦労をしなくて済めばうれしいなと思い記事を書いています。
少しでも役に立てれば幸いです。
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著者であるぼくが賃貸営業マンとして成功するために何を考え行動したのかのすべてをここに詰め込みました。できるだけ再現性、汎用性が高く、誰もがマネできることを一番に考えて執筆しています。
「絶対に成功してやる!」みたいなやたらとモチベーションが高い人向けというよりは、不動産賃貸営業マンになりたくてなったわけじゃなかったり、なってみたはいいけれどなんだかうまくいかないといった方に向けて書いています。