全ての業界において必ず来るのがクレームですが、不動産賃貸営業マンはその中でもまぁまぁクレームの多い業界のなんじゃないかなと思っています。
実際僕もこのクレームでかなり苦労したこともありますのでよくわかるつもりなのですが、クレーム対応がうまくできるかどうかで、その後の仕事の質が大きく変わってくることはとても多くあります。
今日はそのクレーム対応の極意についてお話ししていければと思っていますので、少しお付き合いいただけたらと思います。早速結論から言うとクレーム対応の極意というのは「相手の話を聞ききること」です。
この記事を読んでもらえれば、今後のクレーム対応時に何を考えて実行すればよいのかがわかります。最後の方で具体的にどんなテクニックを使えば、より効率的に話が進むのかといった実践テクについても簡単にお話しします。
クレーム応対の極意は相手の話を聞ききること【不動産賃貸営業マン】
先に述べた通り、クレーム応対の極意は相手の話を聞ききるということになります。なぜかというと、クレームを入れてくる相手というのはもれなく自分の言い分、納得のいかない点というのが存在します。そしてその言い分というのはだいたい物理的な要因というよりは感情的な要因が原因であることが多いです。
物理的な要因を聞き出せる人は普通です。これは誰でもできます。ただ、けっこう見えていないなと思うのが感情的な要因です。クレーム処理というのは基本的にこの感情的要因の解決なくして完了することはできません。
クレーム応対が下手な人は聞く前にしゃべってしまう
クレーム応対が苦手、下手だという人は、まず相手がすべてを話し切る前に解決策を提示してしまったり、一般論をいってしまったりしています。もちろん、そんなあなたの言っていることは決して間違っていません。むしろ超正論であることが多いと思います。そして、正論であることは実は相手もわかっています。
わかっているのにケンカになったりしてしまうんですね。なぜそうなるかというと、感情的要因を処理できていないからです。処理するためには、なぜ怒っているのか、なぜ感情的になっているのかといった、感情的要因を知らなくてはなりません。その本質をしっかりつかむために、まずは相手の話を聞ききることからやらなくてはならないんですね。
クレームの内容をまずいったん全部聞ききる
クレームの連絡や話をもらったら、まずはとにかく話を聞ききることだけに集中してください。何が起こってしまったのか、何に困っているのかといった物理的要因はもちろん、それらによって今どんな感情なのかといった、感情的要因にもしっかりと目を向けましょう。
全部聞ききると、相手は一度トーンダウンします。ちょっとしたやり切った感が出る感じです。これがひとつの目安として、聞ききったかどうかの判断をしてください。
聞ききってから解決策を一緒に考える
まず大前提、クレーム処理というのは双方が一緒に解決に向かって進んでいく姿勢というのが大切です。クレームが起きている時点で悪いのはこちら側と思う必要はありません。こちらに落ち度があることに関しては何らかの償いをする必要はありますが、過剰な要求をのむことがクレーム処理ではありません。
何が起きているのかを物理的要因、感情的要因の2つの要因から正確に理解し、最終的にはどうやって丸く収めていくかを一緒に考えましょうというスタンスが一番大事だと思っています。
クレーム応対の極意【実践編】
それでは実際にどのようにクレーム応対をすればよいのかについて簡単に解説をしてゆこうと思います。先ほどの章で話した内容に沿って解説をしてゆくので、下記の3つの流れで進めていきます。
- 物理的要因の聞き取り
- 感情的要因の聞き取り
- 解決に向けた調整
これらがすべてスムーズにできるようになれば、クレーム応対で悩むことはなくなりますので、しっかり頭に入れられるように頑張りましょう。
1、物理的要因の聞き取り
これは簡単に言うと、このクレームの引き金となった原因は何かを聞き取るということです。ちなみにこれが一番簡単で、このフェイズについてはたぶん誰でもできるので説明はいらないレベルかもしれませんが念のため。
というのも、クレームの原因というのはまずクレームが来た段階でほとんどの相手が最初に話してくれるからです。
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」という一言
物理的要因の聞き取りが終わったら、まずこの一言を言ってください。この「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。」で、けっこう相手の温度は下げることができます。
ただ、ここで重要なのは、何に対して謝罪しているのかということです。ここでの謝罪は、その物理的要因ではなく、そういった要因も含めぼくたちが関わったことの中ですこしでも不快な思いや迷惑を感じさせてしまったのなら申し訳ありませんでしたという謝罪です。
事実に謝罪しているというよりは、感情に謝罪しているイメージと言えばわかりやすいでしょうか。というのも、この段階ではまだ感情的要因は聞き出せていないことが多いので、下手に誤ると相手に付け込まれることがあるので、いったん感情に対して配慮する意味でこの謝罪をしておくことが有効です。
具体的に何が起きて、何に困っているのか
まず感情に向けて謝罪をした後は、具体的な内容を探りましょう。ここの握りが甘いと、この後の感情的要因の把握や、解決に向けて進んでいくことが難しくなってしまうことがあります。
何が起きたことに不快な思いをしているのか、困っているのかをしっかりとその本質を聞き出してください。不動産賃貸営業マンが「超聞き上手な人」になるテクニックはこれにて本質の聞き出し方のテクニックを解説しているので是非目を通しておいてください。
2、感情的要因の聞き取り
一番大事なのがこの項目です。これができていないことが原因で、クレームが大事に発展してしまっているケースを何度も見てきました。
クレームのほとんどはキッカケに重きを置いていません。そのあとの感情に焦点を当ててあげることの方が重要で、クレーム応対で最も大事なことです。
「そうだったんですね。」という相槌
物理的要因を聞きだしたら、続いて感情的要因の聞き出しに行くのですが、ここでのポイントはとにかく、聞き役に徹することです。絶対にしないでほしいのが「自分の意見や一般論をはさむ」ということです。
なぜやってはいけないかと言うと、クレームをしてきている相手は基本的に少し感情的になっています。一般論とかそういう問題ではなく、単純にいら立っているので火に油を注ぐだけになります。
相手が何を言ってきても「そうだったんですね。」と神妙な雰囲気ですべていったん受け入れる態勢で臨んでください。
「他になにかありますか?」は超NGワード
これ結構言ってしまっている人がいますので要注意です。他に何かありますかという言葉の中には「今まで聞いた話は分かったので他に言いたいことありますか?」というニュアンスが入ります。この「今まで聞いた話はわかったので・・・」というところが火に油を注いでいます。
これを言いたくなる気持ちはとてもよくわかります。とっととクレームなんて終わらせて他のことやりたいですよね。わかります。でも我慢してください。これを言うだけで下手したらあと1時間対応時間が伸びてしまいます。
相手が話し終わるまで待つ
相手がトーンダウンするまで、要するに話し終わるまではとにかく聞ききってください。
やり方としては、トーンダウンしたなと思ったら、3秒黙ってみましょう。3秒?と思うかもしれませんが、3秒って結構長いですよ?w
しかも、密に会話をしている状況での3秒の沈黙はとても長いです。
3秒黙っている間に相手がしゃべりださなければ、つぎのフェイズに行けると考えてください。もし3秒黙っている間に相手がしゃべりだすようなら、まだ聞ききれていないということです。
解決に向けた調整
ここまで来たら、ゴールはすぐそこです。でも気を抜かないでください。最後まで丁寧にやらなければ、振出しに戻ってしまうことがあるのがクレーム応対です。
こちらが悪いことは素直に謝罪する
話を聞いてみて、こちらが悪いと思うことがあったなら、それを素直に謝罪しましょう。これができればほとんどのクレームは収まります。
償いが必要なら上司と相談してから
もし何か保証や弁償をする必要がありそうなのであれば、謝罪だけして一度相談しますと持ち帰ってください。ここで勝手に弁償しますとか保証しますといったようなことを言ってしまうと、後々いろんな意味で苦労することがあります。
結局は素直に謝罪する気持ちが一番大事
編に取り繕って格好つける必要はありません。悪かったのなら悪かったと素直に泡まれるかどうかが一番大事であることがほとんどです。中には弁償や保証が必要になるケースもありますが、稀だと思います。
クレームを入れてきた相手が求めているのはだいたい誠実な対応と真摯な謝罪の言葉だということを念頭に置いて、クレーム応対すればほぼ100%解決に向かいます。
まとめ
クレーム応対の極意は相手の話を聞ききることでした。
相手の話を遮ることなく、すべて聞ききってください。それができればほとんどのクレームは解決に向かうことができます。
クレームの要因は物理的要因と感情的要因の2つです。これらをそれぞれ聞き取りましょう。物理的要因だけ聞き取っている人は多いですが、感情的要因まで聞き取らず、ないがしろにしている人が多いです。そして、これがクレームを大事にしてしまう原因です。
全ての要因を聞ききることができたら、解決に向けて調整をしていきましょう。そして、こちらが悪かったことは正直に謝りましょう。変なプライドが邪魔をして、適切な謝罪ができないでいると、どんどんことは大きくなってしまいます。
今回お伝えした内容は、どんなクレーム応対時にも使える基礎的な極意です。是非しっかり理解して当たり前に実践できるようにしてみてくださいね。
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著者であるぼくが賃貸営業マンとして成功するために何を考え行動したのかのすべてをここに詰め込みました。できるだけ再現性、汎用性が高く、誰もがマネできることを一番に考えて執筆しています。
「絶対に成功してやる!」みたいなやたらとモチベーションが高い人向けというよりは、不動産賃貸営業マンになりたくてなったわけじゃなかったり、なってみたはいいけれどなんだかうまくいかないといった方に向けて書いています。