賃貸仲介営業という仕事は、転職などの際に比較的ハードルの低い職種だと思います。実際、コンビニよりも多くのお店が存在するのが不動産賃貸仲介業なので、結構間口が広くなっています。
だからこそ注意したいのは、ノルマのあるなしです。今のこのご時世で、ノルマを課している会社はブラックの可能性が高いので選ばない方がいいと思います。
体育会系の営業職だとノルマがある会社がいまだにありますが、賃貸仲介業でノルマがあるのはちょっと意味合いが変わってきますので、そのあたりを詳しくお話しできればと思います。
ノルマと目標の違い
よく聞かれるのが「ノルマと目標は何が違うのか?」です。これらは似ているようですが、明確に意味合いが違います。それぞれ説明すると
ノルマ
会社から与えられている、こなさなければならない業務量のこと
目標
会社から与えられている、目指すべき成果のこと
どちらも、会社から与えられているという点では全く同じなんですが、そのあとが全然違ってきます。
まずノルマは「こなさなければならない仕事量」ですので、ノルマを達成していないと、給与などの待遇の条件を満たさないということになります。
でも、目標はあくまでも目指すべき成果なので、やらなければならないという制限はありませんし、目標に未達だからといって、基本給与額を割ったりするようなことはありません。
この、やらなければならないかどうかが決定的な差です。ノルマはやらなければならないので、できなければめちゃくちゃ詰められたり、詰められるどころか減給されてしまうなんて会社もあるようです。
目標も、もちろん達成するべきものではあるので、多少詰められたりすることもあるかもしれませんが、減給なんてことにはなりません。
賃貸仲介業ではノルマを課すべきじゃない理由
例えば、飛び込み営業で、ペットボトル入りのコーヒーを売る営業の仕事があったとします。飛び込み営業は、自分でとにかくいろんなところに飛び込んで、販路を作らなくてはなりません。が、逆に、自分で飛び込み営業を頑張りさえすれば、販路は作ることができます。
この場合にノルマとして「1日の飛び込み件数30件」というように、行動にたいしてノルマが課せられることはいいと思います。特に新人さんのように、行動量で実績を上げるしかない人にとっては、いい指標になったりもするので、なしではないと思います。とはいえ「1日の飛び込み件数300件」といったように、そりゃ無理でしょ見たいな数値をノルマにしてはいけませんし、その場合は問答無用でブラック企業なんだと思います。
いまの例のように、自分で販路を開拓できる営業職については、行動量に関してのみノルマがあってもいいと思います。でも賃貸仲介営業はちょっと違います。
なぜなら賃貸仲介営業は自分で販路開拓が難しい業種だからです。
というのも、賃貸仲介営業のほとんどは「完全反響営業」です。まずは反響が来ないと営業すらかけられないんです。
さらに、反響が来ていたとしても、自分に反響が回ってこないことには何もできません。反響の割り振りは店長などの役職者が仕切っていることが多く、ひどい店舗や会社だと、役職者の気分や気に入られ具合だけで反響が担当営業に割り振られたりします。
こうなってくると、ノルマは課すべきではありません。
ノルマとは「こなさなければならない業務量」のことなのに、自分ではどうすることもできない領域が存在するからです。例えば「反響数月50件以上」というノルマがあったとしても、店長や役職者が自分に反響を回してくれなければ反響をとって営業をかけることはできません。店長や役職者のさじ加減になってしまいます。
もし「契約件数月10件以上」というノルマを与えたとしたなら、反響の数がそもそも10件を超えないことにはまず不可能です。一般的な不動産賃貸仲介のお店では、よほど新人さんでない限りは反響が月10件しかもらえないなんてことはあまりないはずなのですが、反響の割り振りによってかなり営業できる幅が変わってくるということです。
なので、反響ありきの賃貸仲介営業にノルマを課すというのは、かなり本質からずれた行為だということです。
ノルマのある会社はブラック?
正直僕はブラックだと思います。
というのも、今時ノルマなんて言葉自体を使っていることがもうブラックだと思いますし、賃貸仲介営業においては100%ブラックだと思います。
確かに、今の経済の礎を作った団塊の世代といわれているいわゆる昭和の人達がバリバリ現役だったころには、このノルマという言葉が当たり前だったようですし、2010年ごろまではノルマという言葉を使う営業会社もまだまだありました。
でも今は時代が違います。働き方改革なんて言われている影響もあり、当時に比べてかなり「従業員の働かせ方」に気を使わなくてはならなくなりましたので、そもそもあまりノルマという言葉自体をあまり聞きません。
そんな時代になっているからこそ、いまだにノルマという言葉が残っていて、実際にノルマがある会社というのは、正直に言うと、時代に取り残されたブラック企業なんだなと思ってしまっています。
ただ、これはあくまでも僕個人の感覚なので、ノルマのある会社で働いている方が、もし「自分の会社はブラックじゃない!」というのであれば、それはそれでいいんじゃないかなと思います。
とはいえ、営業は目標必達が基本
どんなに「ノルマのある会社はブラック」だと思っているとはいえ、営業マンが売上を上げなくてもよいとは全く思っていません。ノルマのように、ペナルティ的な要素を課すことはちょっと違うと思っているという意味で、目標が未達でもしょうがないという意味ではありません。
営業マンである以上、売上を作らなけらばなりません。売上を作れない、上げられない営業マンは、営業マンを辞めた方がいいとすら思います。
厳しいことを言うようですが、営業マンは売上を作れてこその職業なので、このくらいの意識をもってやるべきだと思いますし、そうでなくては面白くありません。
目標必達は当然と思ってもらいたいです。でも、ノルマはあるべきではないと思います。
営業マンはもれなく目標に向かってがむしゃらにならなくてはいけませんが、それは目標達成というゴールにむかって、ポジティブに走ろう!ということです。ノルマにおびえながら必死に走れ!ということではありませんし、それでは絶対に面白いはずがありません。
まとめ
今のこのご時世にノルマを課している会社があるのであれば、僕はブラックだなと思います。理由は簡単で、いまどきノルマなんて古臭い言葉を使っている時点でブラックでしょということです。
とはいえ営業マンには目標数値がありますし、なくてはなりません。目指すべきゴールがなくてはプロセスがぶれてしまいますし、目標があるからこそ営業マンは楽しいんです。
ノルマはあるべきではありませんが、目標はあるべきです。
営業マンは目標達成のためにがむしゃらに走るべきだと思っています。でもそのプロセスが人をすごい速度で成長させてくれることも僕は知っています。
時には目標を達成できなくて苦しむこともありますが、目標を達成できた時のあの高揚感はなにものにもかえがたい喜びです。
あなたにはぜひ、ノルマのない、正しい目標のある会社で、目標を達成する楽しさを経験してもらいたいなと思います。
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著者であるぼくが賃貸営業マンとして成功するために何を考え行動したのかのすべてをここに詰め込みました。できるだけ再現性、汎用性が高く、誰もがマネできることを一番に考えて執筆しています。
「絶対に成功してやる!」みたいなやたらとモチベーションが高い人向けというよりは、不動産賃貸営業マンになりたくてなったわけじゃなかったり、なってみたはいいけれどなんだかうまくいかないといった方に向けて書いています。