不動産賃貸営業マンという仕事をしていると、契約が決まりやすい人と決まりにくい人というのがなんとなくですが出てくることに気づきます。これらは本来、統計的に話ができるものでもないのかもしれませんが、よくよく思い出しながら考えてみるとけっこう特徴に偏りが見られることに気づきます。
契約が決まりづらい人については結局キャンセルになる人の特徴5選【話に筋が通らない人は要注意】という記事の方で詳細をお話ししています。気になる方はぜひそちらもご覧ください。
これら決まりづらいタイプの人と決まりやすいタイプの人というのはあくまでもぼく自身の経験から独断で判断しているものになりますので、必ずこれが正しいといったことを言うつもりはありません。でもけっこう自信があるのも事実なのでこうして記事にしているとご理解いただければと思います。
賃貸営業ですんなりと契約が決まるお客さまの特徴【話しが下手な人】
不動産賃貸仲介営業マンという仕事において、すんなりと契約が決まるお客さまというのはぼくの経験上、決まりづらいのではないかと勘違いしてしまうタイプの人も含まれていると考えています。
この後ご説明する3つのタイプの人のうち、後半の2つのタイプについてはけっこう理解がしやすいのではないかなと思います。でも1つ目のタイプの人というのは意外だと言われることが多いのですが、的を得ているという評価をいただくことも多い項目です。
話下手で自分を表に出さないタイプの人は契約になりやすい
1つ目のタイプというのは、話下手で自分を表に出さないタイプの人です。これ意外じゃないでしょうか。なんとなくですが、ほとんどの営業マンが話が上手でノリの良いタイプの人の方が決まりやすいと考えているように感じます。
でもそれは間違っています。結局キャンセルになる人の特徴5選【話に筋が通らない人は要注意】でも解説していますが、変に仲良くなってしまうようなやたらとフレンドリーなタイプの人というのはキャンセルになりやすく決定率が良くありません。
どちらかと言うと、話し上手な人よりも話下手な人、ちょっと人見知りな人な方が決定率は高くなる傾向にあります。しっかりとやるべきことを丁寧にやっていればほぼすんなりと収まっていくのがこのタイプの人です。
ただし一つ注意が必要なのが、この手のタイプの人はしつこかったり騒がしかったりする営業スタイルを嫌う(お客さま自身がどちらかと言うと静かなタイプなため違和感を感じてしまう)ことが多いという事です。できるだけ落ち着いたプロの対応をしてください。
相場家賃よりも希望家賃が高い人は契約になりやすい
2つ目は希望家賃、出せる家賃の金額が相場と同じくらいか少し高いくらいの人です。
これはなんとなく理解しやすいのではないかと思いますが、そもそも賃貸物件の契約がまとまらないケースの中で最も多い理由というのは希望と現実の折り合いがつかないからです。要するに、イメージしている物件がイメージしている家賃や初期費用では手に入らないことでガッカリして契約を保留にしたりキャンセルをしたりという事になるんですね。
そもそもの希望家賃が相場より高い場合というのはこういった心配がなくなります。物件紹介も、相場通りか少しグレードの高い物件をどんどん出してゆけばよいことになるので接客自体も大変ではありません。
地方から転勤してくる人は契約になりやすい
3つ目が最も決まりやすく、繁忙期と言われる1月~3月に一番多くいらっしゃるお客さまです。
正直最初に言った2つのパターンよりはるかに決まりやすく、初心者だろうが多少ミスをしようが高い確率で契約がまとまります。その理由はシンプルで、地方からの転勤者というのは部屋探しのために何日もエリアにとどまるという人は少なく、1日だけ部屋探しの為だけの日を作っていらっしゃいます。要するに、その日中に決める気で来ているという事です。
ある程度納得するいい物件があれば当日に決めて帰るつもりでいますので、当然その決定率というのはほかのタイプのお客さまと比べると格段に高くなります。
とはいえ、この手のタイプの人は不動産会社としては絶対に逃してはならないお客さまになりますので、簡単に新人営業マンに任せてくれるということはありません。確実に決まるお客さまは確実に決められる営業マンに渡しておきたいというのが店舗責任者の当然の思考になりますので、決まりやすいのですが新人や結果がまだ出せていない内というのはなかなかもらえない反響という事になります。
契約が決まりやすい人をしっかりと決めきる為のコツ
たった今、決まりやすいお客さまのタイプを3つご紹介しましたが、決まりやすいからと言って適当にやっていいわけではありません。当たり前ですが、どうやっても決まりますよという意味ではなく、統計的に考えたときにどちらかと言うと決まりやすいですよという話です。
そしてこの手のタイプの人を任せられるというのは、決めなくてはいけない接客を任されるという事になります。決められてもどちらかというと「決められて当然」というような評価になりやすいですし、もし決められなかったとしたなら露骨に「失望される」という事も十分にあり得ます。
とはいえ決まりやすいタイプの人を任せてもらえるというのは間違いなくチャンスです。このチャンスを活かさない手はありませんので、ここからはタイプ別にそのチャンスを生かし切る為に意識するべきコツについてお話ししていきます。
話下手な人→親切で丁寧な対応が一番大事
話下手な人、ちょっと人見知りなタイプの人というのはとにかく親切丁寧な対応が最も喜ばれます。仕事の早さなどのビジネススキルをいかんなく発揮することよりは、丁寧に寄り添ってあげる感覚を与えてあげることが最も重要です。
より実践的なアドバイスとしては下記の2つです。
- 連絡・報告はマメに行う
- 節目の確認をしっかり行う
例えばお客さまから物件について確認しておいてほしいと頼まれたりした場合に、結果が出るまで連絡をしないという人がいますが、このタイプの人はこれではいけません。進捗報告をしっかりと伝えることが重要です。
また、契約の進行状況などについての報告や、必要書類が準備できているかの確認などをしっかりと行うことも重要です。こういった丁寧な仕事が特に評価されるのがこのタイプの人です。
希望家賃が高い人→素早い仕事と対応が一番大事
雑な言い方をするとちょっとお金に余裕があるタイプの人というのは、丁寧な対応というよりは仕事ができる印象を与える方が信頼してもらいやすいです。ポイントは下記の2つです。
- 仕事はスピード感重視、最速でこなす
- 進捗報告はきちんとする
一番重要なのがスピード感です。この手のタイプの人は、その人自身が仕事ができることが多いです。こういったタイプの人というのは、同じように仕事ができる人を好みます。もしお客さまに「仕事ができないな。」と判断されてしまうと、他社に浮気されてしまいます。
契約にはなりやすい反面、ちょっとしたミスで信頼を失ってしまいやすいのがこのタイプの特徴ですので、仕事ができる人間に見せる(仕事ができる人間であればなんの問題もない)必要があります。
地方からの転勤の人→地域の情報や利便性の情報が大事
最後に地方から転勤してくる人については、エリアの情報が最も刺さります。というのも、地方から転勤してくる方というのはほぼ間違いなくこれから引越す先の土地を知りません。近くに何があって、どんな路線が通っていてどんな駅を通るのかなど、ぼくたちが当たり前に知っていることを当たり前に知りません。
そのため、地元の人しか知らないようなエリア情報、バス路線の情報といったちょっとコアな情報を知っていると非常に信頼してもらえます。
この仕事はお客さまの悩みを解決してあげることです。転勤者の悩みの一つは、エリアを知らないという不安です。これを解決してあげるために、エリアマスターとして情報をたくさん出してあげてください。
まとめ
比較的契約が決まりやすい人というのは存在していて、ある程度タイプではんだすることができます。
- 話下手で自分を表に出さないタイプの人
- 相場家賃よりも希望家賃が高い人
- 地方から転勤してくる人
まとめるとこの3タイプです。この3タイプはぼくの経験上間違いなく契約になりやすいありがたいお客さまたちでした。
だからと言って気を抜いていいわけではありません。むしろこのタイプの人を契約まで持っていけなかったとしたら、下手したら会社からの信頼を失うことになりかねません。決まりやすいからこそ慎重に対応をしなくてはいけません。
話下手なタイプの人へはより丁寧で親切な対応を、希望家賃が高いタイプの人には仕事ができる感をだし、地方からの転勤者へはエリアの情報をたくさん提供してあげましょう。
これらをしっかりと押さえチャレンジすることができれば、安定感のある営業マンになることができます。決まりそうなお客さまをしっかりと決めてくれる営業マンほど頼もしい営業マンはいません。もちろん、決まらなそうなお客さまをしっかりまとめることも大変ありがたく素晴らしいことなのですが、丁寧にひとつずつ契約を積み重ねられる営業マンの方が好まれる傾向にあります。
是非今回のポイントを頭に入れて営業に臨んでみてくださいね。
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著者であるぼくが賃貸営業マンとして成功するために何を考え行動したのかのすべてをここに詰め込みました。できるだけ再現性、汎用性が高く、誰もがマネできることを一番に考えて執筆しています。
「絶対に成功してやる!」みたいなやたらとモチベーションが高い人向けというよりは、不動産賃貸営業マンになりたくてなったわけじゃなかったり、なってみたはいいけれどなんだかうまくいかないといった方に向けて書いています。