今日の記事は、ぼくが不動産賃貸営業マンとして働いていた時に感じた疑問について実際にお客さまに質問をしてみていただいた回答について話していこうと思います。
まずその疑問というのが
「お客さまは何で営業マンを選んでいるんだろう?」
というものです。まず、この日本には不動産賃貸仲介のお店というのがコンビニよりも多い数存在していると言われています。コンビニだと、都内の駅前には平気で2~3店舗くらいありますし、大きな駅だともっと多くありますよね。それよりも多い数のお店が存在している状況のなか、どんな基準でお店を選んでいるのかなと思ったわけです。
今回のお話はけっこうマーケティングの本質的な部分だと思っていて、非常に重要な部分になります。これを読んでもらえれば、お客さまからみて魅力的な営業マンになることができるのではないかなと思います。
実際にぼくが何人かのお客さまに聞いたり、友人知人が引っ越しをした際に聞いてみたりして得た情報なのでかなり価値がある情報だと思っています。
お客さまは不動産賃貸営業マンを何で選んでいるのか聞いてみた
さて早速ですがお客さんはどんな基準で選んでいるのでしょうか。営業マン目線で言うと下記の理由で選んでいるように思いませんか?
- いい物件情報があった
- CMで見たことがある
- 駅前にお店があって入りやすかった
ぼくはこの辺が理由で来店されるお客さまが多いのかなと思っていました。もちろん完全に間違っているわけではないですし、お店を見つける「発見」の部分で言うとこのあたりからの流入が多いのかなと思います。
ただ、どんなに「発見」されたとしても最終的に「アクション」に至らなければ何の意味もありません。「発見」にばかりフォーカスしてもし予算を投入していたとしても、「アクション」から「購買」に至らなくては利益になりませんので無意味になってしまいます。
なのでぼくは「発見」の先の「アクション」に至った理由を調べてみたというわけです。そしてその理由を聞いて驚くとともに、確かに自分が何かを選ぶときもそうかもなと客観視できたのを覚えています。
「ぶっちゃけ、なんとなくよかった。」が多数
表題の通りなんですが、選んだ理由のほとんどが『なんとなく』なんです。
「それって理由になってないじゃん。」という人がいるのですが、そんなことはありませんし、『なんとなく』というのがお客さまの心理であることを理解しなくてはいけません。
あなたもなんとなくモノを選ぶ瞬間ってありますよね?例えばコンビニで飲み物を買おうとしているとして、飲み物を選んでいたところ、ちょっと小腹が空いていることに気づいたのでちょっとしたおやつを買おうと思ったとします。
この時に「甘いものがイイな」と思ったあなたはチョコレートのコーナーに行きますが、チョコレートにもいろいろありますよね。そこで何かのチョコレートをあなたは選ぶわけですが、この時にそのチョコレートを選んだ理由って『なんとなく』じゃないですか?
ぼくはこのなんとなく選ぶという状況を『なんとなく需要』と呼んでいるのですが、お菓子や飲み物のセレクトなんかが特に当てはまるのかなと思います。
『なんとなく需要』の決定軸はランダムであると勘違いしている人が多いのですが、『なんとなく需要』にもしっかりと決定軸に意思があります。どういうことかと言うと『なんとなく』は何でもよかったわけではなく、いくつかの選択肢から選ぶとしたらここがいいなというれっきとした選択を行っているという事です。
「清潔感があって対応が丁寧だったから。」も多い
次に多かったのが対応が良かったからという意見です。
反響をいただいた後に送ったメールや、電話の応対に好感が持てたからというのが理由のようでした。そして、それらの意見をまとめると「清潔感があって丁寧な対応」というのが好感を持たれるという事ができるようでした。
メールや電話で清潔感?と思うかもしれませんのでもう少しわかりやすく解説すると、正しく敬語やマナーが使えているか、誤字脱字がなく読みやすい文面かといったあたりが清潔感として評価されていると言えるようです。
営業マンは清潔感が命です。どんなに営業力が高くても、清潔感がなければ売上はついてきません。逆に、新人さんであっても清潔感さえあればけっこう何とかなったりするというのが営業マンの面白いところだったりします。
実は少ない「値引き」が理由でのセレクト
そして意外と少ないのが「値引き」が理由で選びましたという声です。
ぼくはそもそも値引きをほとんどしない営業スタイルだったのですが、一時期試験的に反応がないお客さまなどに最初から値引きをうたったメールを送るという事をしていました。でも、それをしたからと言ってメールが返ってくることはほぼなく、もし返ってきたとしてもさらなる値引きを交渉してくるような人がちらほらという感じでした。
ぼくの聞いた範囲だと、お客さまの選考基準に「値引き」はあまり含まれていないように感じます。昔は効果があったのかもしれませんが、今はどちらかと言うと「質重視」の傾向が強いと感じます。
ネット上で不動産会社を比較検討してみた結果、なんとなく質が高そうなところを選んでいるというのが本質なのだとぼくは思っています。
結果的に「なんとなく」選んでもらえる営業マンが最強の営業マンです
お客さまの「アクション」の理由のほとんどは「なんとなく」であるという話をしました。そして簡単なコンビニでの買い物の例もお話ししましたが、今後はさらに『なんとなく需要』の割合が増える傾向にあると考えています。
要するに『なんとなく選ばれる人間』になっていくことが、今後営業マンとして成功していくためのキーになると言えるんです。
「なんとなく選ばれる」のにも実はちゃんと理由がある
『なんとなく』はランダムチョイスではありません。
いくつかある商品の中から「なんとなく選ぶ」というのは、どれにするか目をつぶって適当に選ぶというのではなく、なんとなく惹かれるものを感覚的に選ぶという感じだと思います。この、なんとなく惹かれるという感覚に目を向けることが重要なんです。
例えばAとBという二つの不動産屋さんがあるとします。取り扱っている商品も価格も全く一緒です。異なるのはお店の雰囲気だけ。
Aは昔ながらの古臭い不動産会社。どことなく怖い雰囲気があって、ちょっと暗い印象です。Bはなんとなくイマドキな感じの明るい不動産会社。従業員が若くフレッシュな印象。
ちなみにこれはどちらが正解という事は当然ないのですが、多くの人がBを選ぶのかなと思います。これが『なんとなく需要』の勝者です。
もちろんAを選ぶ人もいます。Aの方が経験が多くて安心できそうという人もいるでしょうしダメという事はないですが、おそらく少数派のはずです。なぜなら商品も価格も一緒なんですから。
なんとなく需要にこそ不動産賃貸営業マンの勝機が眠っている
今あげた例のように『なんとなく』にはちゃんと理由があるんです。ただ、その理由がはっきりと明確になっていない為アウトプットがうまくできないだけなんです。
その『なんとなく需要』を引っ張ってくることができるかどうかに、今後のすべてのビジネスはもちろん、営業マンも勝機があるのだと考えています。
なぜなら、多くの選択はほぼ『なんとなく』だからです。理由は情報が溢れすぎていて、比較検討をするための情報集めが簡単になっているからです。調べれば調べるほどわからなくなっていくんですね。そして不動産賃貸の場合、最終的にプロに任せようとなるのですが、さらにお店を吟味するために情報を集めるなんてことはまずしません。じゃあどうやってお店を選ぶのか?『なんとなく』じゃないでしょうか。
「なんとなく」選ばれる営業マンになる為には?
今後社会で勝ち残っていくためには『なんとなく需要』を取ることができる人間になる必要があります。なんとなく選んでもらえる営業マンになりましょうということですね。
では『なんとなく』選ばれる営業マンになる為にはどうしたら良いのか?それはこの記事の中盤辺りで話した「清潔感と丁寧さ」です。先ほどはメールや電話の話をしました。メールや電話の場合は敬語やマナーがちゃんとできているかや、誤字脱字がないかが重要だったと思います。ただ、営業マンとして選ばれるという話になると、身なりの清潔感も重要になってきます。
身なりの清潔感とは例えばスーツなら
- サイズがちゃんとあっているか
- ワイシャツにしわはないか
- ネクタイはピシッとしているか
といったような部分。髪型などなら
- 寝ぐせは付いていないか
- 耳とおでこがでているか(ショートヘアならおでこは多少隠れていてもOK)
- 歯は磨いているか
- 目ヤニはついていないか
などになると思います。当たり前のことかもしれませんが、慣れてくるとこの当たり前をおろそかにしてしまう営業マンはけっこう多くいます。
メールや電話をちゃんと返すことも大切です。2~3日返信を忘れてしまったり、やるといったことをやらなかったりしてしまうと『丁寧さ』があるとは思われませんよね。しっかりとしたタスク管理術を身に着け、もれの内容に丁寧に仕事することも『なんとなく需要』を呼び込むとても重要なスキルです。
まとめ
今回はお客さまがどんな基準で営業マンや来店するお店を選んでいるのかについて話しました。
物件や立地でお店を選んでいると思っている人が多いようなのですが実際は違います。答えは『なんとなく』です。次に多いのが「清潔感や丁寧さ」ですが、これも実はなんとなく需要の一部なのだと僕は思っています。
今後成功していきたいと思っているのであれば、この『なんとなく需要』をモノにできる営業マンにならなくてはいけません。なぜなら今後はさらに『なんとなく需要』の割合が増えていくことになるからです。
なんとなく選んでもらえるようになるためには清潔さと丁寧さを演出できるようにならなくてはいけません。そのためにはメールなら誤字脱字をなくしたり、敬語やマナーに気を配ったりできなくてはいけません。お客さまとの約束を忘れたり、返信を放置したりしていてはなんとなく選んでもらうどころか、なんとなく選ばれない人間になってしまいます。
『なんとなく需要』に目を向け、選ばれる人間になることが成功への鍵です。
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著者であるぼくが賃貸営業マンとして成功するために何を考え行動したのかのすべてをここに詰め込みました。できるだけ再現性、汎用性が高く、誰もがマネできることを一番に考えて執筆しています。
「絶対に成功してやる!」みたいなやたらとモチベーションが高い人向けというよりは、不動産賃貸営業マンになりたくてなったわけじゃなかったり、なってみたはいいけれどなんだかうまくいかないといった方に向けて書いています。