賃貸仲介のトップ営業マンはトークが上手な人が多いですよね。自分でいうのもなんですが、僕もトークはうまい方だと思います。
トークが上手な方が下手よりはいろいろとうまくいくことも多いとは思いますが、ちゃんとポイントを押さえてやり方を覚えてしまえば、けっこううまくトークをできるようになります。
賃貸仲介トップ営業マンのトーク術:まず本題に触れる
けっこうやりがちなのが「まずはアイスブレイクから!」というやつです。
アイスブレイクとは簡単に言うと、緊張をほぐすために行う他愛のない会話のことです。いろいろなビジネス書や、営業手法の本などにもけっこう「まずはアイスブレイクから!」と書いてあるのですが、賃貸仲介営業マンのトークに関しては、これは違うと思います。その理由は2つありますのでそれぞれ解説します。
- そもそも物件を問い合わせてから来店している
- 物件探しに来ているのであってしゃべりに来ていない
そもそも物件を問い合わせてから来店している
基本的に賃貸のお部屋をお探しのお客様柄ご来店される場合「気になる物件」が決まっていて、その物件の問い合わせから来店されていることがほとんどです。
要するにまず知りたいのは「その物件がどうなのか」なんですね。そもそもお客さまは営業マンとおしゃべりしに来ていません。物件を探しに来ていますので、まず「自分はあなたにとって有益なんですよ」というのを示すことが必要です。
そのためにも結論から話します。例えばAという物件の問い合わせで来店されたBさんというお客さまの場合
「いらっしゃいませこんにちは、ご予約のBさまでしょうか?こちらへどうぞ!」
とまずはお声掛けします。ご着席いただいたら、
「本日はご来店ありがとうございます。早速なんですが、お問い合わせいただいた物件の件ですが・・・」
大げさに言うとこのくらいのスピード感で問い合わせ物件の話をしてもいいと思っています。特にお問い合わせの物件がまだ紹介可能な場合はなおさらです。
もしお問合せのお部屋が、ご来店いただくまでになくなってしまっている場合はちょっと戦略が変わるのでこのスピード間でない方がいいですが、一般的にはこのくらいのスピード感で結論から話してあげた方がいいです。
先にアイスブレイクからする場合はこういう感じです
- 「本日はご来店ありがとうございます。今日は電車でいらっしゃったのですか?」
- 「なるほど。電車にちょっと遅れが出ていたみたいですけど大丈夫でしたか?」
- 「今日はどちらからいらっしゃったのですか?そうですか、けっこう時間かかりますよね。遠くまでお越しいただきありがとうございます。」
などなど、最初の1文くらいであれば全然問題はないと思いますが、この段階でアイスブレイクをしっかりはさんでしまうと「いいから早く部屋探しの話してくれよ。」と思われてしまうことが多くあります。なので、慣れないうちは特に、まず結論部分である問い合わせ物件の話から入ることをお勧めします。
物件探しに来ているのであってしゃべりに来ていない
当たり前のことですが、けっこう実践できていない営業マンが多くいます。話し好きな営業マンはけっこう多くいて、しゃべりすぎてしまうことでお客さまが引いてしまう感じです。
「アイスブレイクは最初にちゃんとやろう!」と思うのは自由ですが、このアイスブレイクというワードに引っ張られ過ぎて、ウザい営業マンになってしまう人がいます。
※うざい営業マンにならないために気を付けたいことはこちらをご覧ください。
とはいえ、話好きな営業マンの方が話の組み立ては上手なことが多いので、何から話しだすべきかだけ気にしてもらえれば、比較的すぐに上手にトークを組み立てられるようになります。
お客さまは物件探しに来ているのであって、おしゃべりしに来ているわけではないので、まず結論である「問い合わせ物件の話から入る」ことをやってみてください。
賃貸仲介トップ営業マンのトーク術:アイスブレイクは本題の後
賃貸仲介営業については特に、まず本題から話し、その後にアイスブレイクをするようにしましょう。この業界の場合はこのタイミングでのアイスブレイクの方が効果的ですし、間違いなく話がはずみます。
アイスブレイクはけっこう質問をしなくてはなりません。質問をしないと、勧めていくべきトークの方向性のヒントを得ることができないからです。質問をせずノーヒントの状態でしゃべりだしてしまうと、当然自分の話がメインになってしまいます。
基本的に「人の話」ほどつまらないものはありません。人は人の話に興味はあまりなく、自分の話に興味を持ってほしいと潜在的に思っています。
質問をするにも、ある程度ヒントがあるとやりやすくなります。最初に本題の話をある程度していれば、多少ヒントが出てきていることがほとんどですので、アイスブレイクもやりやすくなります。
すでに物件の話をしていれば得られるであろう情報は下記のとおりです。
- その物件がいいと思った理由
- そのエリアにした理由
- 引っ越しの理由
などでしょうか。
その物件がいいと思った理由
これはざっくり聞けることが多いと思います。バストイレ別がいいとか、バルコニーつきがいいとか、駅から近い方がいいんだなとかです。
例えばその問い合わせ物件が3Fのお部屋だったら「2F以上がいいのかな」という予測が立てられたりするので、「2F以上のお部屋で探してるんですか?」って質問ができます。
そのお部屋が気になっている理由が全くないなんて人は一人もいません。必ずその物件が気になった理由が、小さい理由だとしても必ずありますので、それがアイスブレイクへのヒントになったりします。
そのエリアにした理由
エリアの理由は大体職場や学校に通いやすいことが理由なので、職場の場所を聞くことができます。うまく話せれば、なんという職場で、どんな仕事なのかも聞くことができます。そうすればかなりヒントが多い状態になりますので、アイスブレイクはしやすいですよね。
引っ越しの理由
ここまで最初の段階で聞ける必要はないのですが、聞けてしまう場合もありますので記載しておきました。引っ越しの理由についたはかなりプライベートな情報であることも多いので、アイスブレイクのヒントとしてはとてもいい情報です。
アイスブレイクの基本は、相手の話しかしないことです。自分の話は基本的にしてはいけません。相手の話を聞いてあげて、興味を持ってあげることがアイスブレイクの本質です。
よく自分の話ばかりしてしまって、自分が楽しくなっている営業マンを多く見ます。そう人はだいたいお客さまがちょっと引いてきてしまっていることに気づいていません。
自分が自分の話ばかりしてしまっていることにも気づいていないケースも多いので、自分の話はしないと決めてアイスブレイクを行うことをおススメします。
賃貸仲介トップ営業マンのトーク術:本質を探るヒアリングはここから
トークの流れとしては最後に本質を探るヒアリングになります。本質の引き出し方は別の記事にて詳しく書いてありますので、リンクからご覧いただけたらと思います。
※本質の聞き出し方はこちらで詳しく解説しています。
新人さんに賃貸仲介営業を教える場合、まずヒアリングから教えるところがあるようです。でも、賃貸仲介営業で一番難しいのがこのヒアリングです。ここから初めてもいいのですが、質問ばかりになってしまいかなり機械的になってしまう人を何人か見たことがあります。
※ヒアリングのコツはこちらをご覧ください。
なので、トークが上手になりたければ、まずはヒアリングではなく、前述の「まずは本題→アイスブレイク」からできるようになってみてください。あまり実際の接客の機会をまだもらえていないという人は、ロープレをどんどんやりましょう。
このロープレをやる場合は、お客さま役の人には「問い合わせ物件」を指定してもらうようにしましょう。そうすることでよりリアルな実践に近い経験を積むことにつながります。
※ロープレのやり方はこちらをご覧ください。
まとめ
トップ営業マンのトークのやり方のポイントは3つ
- まずは本題に
- アイスブレイク(緊張をほぐす会話)
- 本質を探るヒアリング
ぼくももちろんこのやり方でトークをしていましたし、賃貸仲介のトップ営業マンはほとんどこのやり方で話していることが多いです。
そもそもお客さまは物件を探しに来ているので、まずは本題から話してあげましょう。プレゼンなどと同じですね。良いといわれているプレゼンはもれなく本題や結論から話します。
アイスブレイクは本題の後が賃貸仲介営業の基本だと思ってください。冒頭からアイスブレイクに入り、長くなってしまうと、お客さまは大体引いてしまいます。
最後に本質を探るヒアリングをしましょう。事前のアイスブレイクにより少しは警戒が溶けていると思うので、本質にも振れやすくなっているはずです。
まずはこのポイントを意識してやってみてください。早い人なら1週間もあればものにできる内容ですので、とにかく実践してみましょう。
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著者であるぼくが賃貸営業マンとして成功するために何を考え行動したのかのすべてをここに詰め込みました。できるだけ再現性、汎用性が高く、誰もがマネできることを一番に考えて執筆しています。
「絶対に成功してやる!」みたいなやたらとモチベーションが高い人向けというよりは、不動産賃貸営業マンになりたくてなったわけじゃなかったり、なってみたはいいけれどなんだかうまくいかないといった方に向けて書いています。