今回の用語集は実務編です。
実際に営業活動をしている際にリアルに出てきやすいワードを多くまとめてあります。できるだけわかりやすいように、超基礎的な用語まで収録しておきました。
賃貸は売買に比べるとかなり知識量は少なくて済みます。とはいえ、多少でも売買の用語を知っていると得をするケースがありますので、実際に僕が知らなくて困ったり知っていて得をしたりした売買用語も少し入れてあります。
不動産賃貸営業マンが知っておくと得する用語全集6【実務編】

IT重説 | 不動産取引における重要事項説明を、インターネット等を利用して対面以外の方法で行なうこと。宅地建物取引業法が定めている重要事項説明における対面原則の例外として認められているが、関係書類を十分に確認できること、双方向で確実にやりとりができること、宅地建物取引士が実際に説明することなどの要件を満たすとともに、消費者が不利益を被らないよう措置することが必要とされている。 |
青田売り | 完成する前に宅地や建物を売却すること。新築マンションや戸建分譲住宅の販売手法として広く使われている。 |
アパート | 1階建てもしくは2階建ての共同住宅で、建築構造が木造または軽量鉄骨構造のものを一般的にアパートと呼んでいる。それ以外の構造のものをマンションと覚えておけばOK。 |
居抜き | 店舗や工場などを、その内部の商品、設備、什器備品などを設置したままの状態で売買・賃貸すること。以前のままの内装や什器を引き継ぐことができるためイニシャルコストを抑えられるというメリットがある。その反面、以前のものを引き継ぐ為自由度が低くなりブランディングがしにくくなる場合もある。 |
印鑑証明書 | 捺印された印影(印を紙などに押した跡のかたち)が、あらかじめ届けられた印影(印鑑)と同一であることを証明する官公署の書面。印鑑届けをした印影を生む印が「実印」。印鑑登録をしていない印鑑を実印として扱うことはできない。 |
上物 | 土地の上に建物が存在しているとき、この建物を「上物」と呼ぶ。要するに、土地を含まない建物部分のみのこと。 |
AR | 現実の部屋のなかに仮想の家具を置いてリアルな空間として知覚すること、現実の土地に仮想の建物を建築して空間的な調和や景観を確認することなど。 |
貸主 | 不動産の賃貸借契約において、不動産を貸す人(または法人)のこと。 |
瑕疵物件 | 取引の対象となった不動産の当事者の予想していない物理的・法律的な欠陥(瑕疵)があったときの、当該不動産のこと。 |
片手 | 不動産取引を媒介としたときの宅地建物取引業者の成功報酬の受取り方をいい、取引当事者の双方から受け取る場合を「両手」、一方のみから受け取る場合を「片手」という。 |
規制緩和 | 民間の産業活動や事業活動に対する政府の規制を縮小すること。 |
客付け | 空いている賃貸物件に入居者を見つけること。 |
業界団体 | 不動産業の全国的な業界団体としては、(一社)不動産協会、(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)、(公社)全日本不動産協会、(一社)日本住宅建設産業協会、(社)不動産流通経営協会など。 |
供託 | 法令の規定により、金銭、有価証券、その他の物件を地方法務局などにある供託所または一定の者に寄託すること。 |
共同媒介 | 一つの不動産取引を複数の不動産会社が媒介することをいう。 |
共有名義 | 私法上の概念で、複数の者が、同一の物を同時に所有している形。 |
法人銀行印 | 会社が銀行口座を開設する際に、銀行に届け出た印鑑のこと。 |
銀行印 | 個人が銀行口座を開設した際に、銀行に届け出た印鑑のこと。 |
クーリングオフ | 一定期間、無条件で契約の申込みの撤回または解除ができる制度だが、賃貸契約においては該当しない(クーリングオフでなく中途解約またはキャンセルという扱いになる)。 |
空室対策 | 賃貸住宅やビルの経営において、賃借人(テナント)がいない住戸(空室)を解消することまたはそのための方策のこと。 |
クロージング | 本来は媒介業務が完了することを指すが、そのための営業トークや手法を指す場合もある。 |
現況有姿 | 現在あるがままの状態のこと。 |
現状有姿 | 現況有姿と同義語。 |
権利金 | 土地や建物の賃借権を設定したり譲渡したりするときに、賃借人が地主・家主に支払う金銭のこと。 |
広告規約 | 不動産の広告に関する不動産業界の約束事であり、政府(公正取引委員会)が正式に認定したものを「不動産の表示に関する公正競争規約」といい、不動産業界では一般的に「表示規約」または「広告規約」と呼んでいる。 |
更新事務手数料 | 借家契約の期間更新の際に、借家人に対して請求される費用の一つで、契約更新のための事務費用とされている。かならずしも更新時に必要な費用というわけではない。更新料とは別。 |
更新料 | 賃貸借契約に基づき、賃貸期間更新に当たって、借主が貸主に対して支払う金銭のこと。簡単に言うと、更新時に支払いが必要なお金。 |
公道 | 公共の用に供されている道路。私道の逆。 |
個人情報保護 | 個人のプライバシー保護のために、個人情報の収集・伝達を制限すること。現代はこの個人情報の保護がとてもうるさく言われることが多いので、電話番号や住所などの管理は厳格に行いましょう。 |
コワーキングオフィス | 独立して働く人々が共同利用しながら働く事務所のこと。コワーキングスペースとも。 |
サービサー(Servicer) | 金銭債権の回収・管理業務を営業する者のこと。金融機関や一般会社から、金銭債権を譲り受けたり、委託を受けて回収・管理する。債権回収会社ともいう。 |
サテライトオフィス | 本拠地から離れた場所に設置する小規模な事務所。 |
更地 | 建物等が存在しない土地のこと。 |
CRE | Corporate Real Estate の略で、「企業不動産」のこと。企業は、事業のために事務所、店舗、工場、福利厚生施設など各種の不動産を所有・賃貸借しているが、それらすべての不動産がCREである。 |
地上げ | 事業用地を確保するために、不動産会社が土地などを購入すること。 |
資格証明書 | 会社の代表取締役などが商業登記簿に登記されていることを、登記所が証明する書面のこと。 |
敷金 | 建物の賃貸借契約を新規に締結する際に、借主から貸主に対し、賃料の不払い・未払いに対する担保、契約により借主が負担すべき修繕費用や原状回復費用の前払い目的のために預けられる金銭のこと。 |
敷地 | 建築物のある土地のことを「敷地」という。 |
敷引 | 借主から貸主に対して交付された敷金のうち、契約時点で一定の部分を借主に返還しないことを特約する慣行がある場合の、この返還しない部分のこと。 |
事故物件 | 権利について争いがあったり、浸水、自殺、倒産などの事故の場所となったりした宅地建物をいう。取引価格は、事情を反映して低くなることが多い。 |
地震保険 | 地震による被災損失に対して補償する損害保険。保険補償の範囲は、主契約の保険金額の30~50%の範囲内で、建物5,000万円、家財1,000万円を上限とする。 |
実印 | 個人の印鑑であって、市区町村長に対してあらかじめ印鑑登録を行なった印鑑のことで、印鑑証明書の発行を受けることができる印鑑である。 |
指定緊急避難場所 | 災害が発生し、または発生する恐れがある場合にその危険から逃れるための避難場所のこと。 |
指定避難所 | 災害の危険性があり避難した住民等を災害の危険性がなくなるまでの間滞在させ、または災害により住居に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させるために市町村長が指定した施設のこと。 |
私道 | 民間の個人や法人が所有している道路のこと。 |
社印 | 会社の印鑑であって、代表者印でも、銀行印でもない印鑑のことで、印影が正方形であることが一般的なことから「角印」とも呼ぶ。 |
重説IT化 | 不動産取引における重要事項説明を、インターネット等を活用して対面以外の方法で行なうこと、またはその方法を導入すること。 |
住宅ローン | 個人に対する住宅資金の融資のこと。 |
初期費用 | 不動産の購入や賃借に際して、当初に発生する費用のこと。初期費用には、敷金、礼金、前家賃、仲介手数料などが含まれ、その他に火災保険料やその他オプションも含まれることが多い。 |
所要時間(徒歩所要時間) | 1.直線距離ではなく、道路に沿って測定した距離(道路距離)をもとにする。 2.道路距離80mを徒歩1分に換算する。 3.80m未満の端数が出たときは、切り上げて1分とする。例えば、道路距離が100mならば、徒歩所要時間は「2分」となる。 4.駅からすぐに物件があるときでも、「駅から徒歩0分」ではなく、「駅から徒歩1分」と表示しなければならない。 5.車両通行量が多い道路や鉄道などを越えるために、横断歩道・歩道橋・踏切りを経由しなければならないときは、それを経由するために余分に歩く距離を含める必要がある。 6.横断歩道や踏切り等を横断するとき、信号待ちの時間は考慮しなくてよい。 7.坂道があるために実際に歩く時間が長くなるときでも、やはり道路距離80mを徒歩1分に換算してよい。 |
心理的瑕疵 | 不動産物件の取引に当たって、借主・買主に心理的な抵抗が生じる恐れのあることがらのこと。 |
水害保険 | 洪水、高潮、土砂崩れなどの水害による被災損失に対して補償する損害保険。火災保険の補償対象に含める形で設定されていて、例えば、「住宅総合保険」「オールリスクタイプの火災保険」などは水害も補償対象となっているが、「住宅火災保険」には水害に対する補償はない。 |
スタートアップオフィス | 起業のための事務所。 |
ストックビジネス | 継続的に収入を得ることのできる事業手法。 |
正当事由 | 土地・建物の賃貸借契約において、賃貸人が契約の更新を拒絶したり、解約の申し入れをする際に必要とされる「事由」のこと。 |
セットバック | 1. 建物の上部を下部よりも後退させること。 2. 2項道路に面する土地では、次の1)または2)の範囲に建物を建築することができない。 1)その道路の中心線から水平距離2mの範囲 2)その道路の片側が崖地、川、線路等である場合には、その崖地等の側の道路境界線から水平距離4mの範囲 これらをセットバックという。 |
全館空調 | 居室だけでなく廊下など建物の全てのスペースを対象とした空調のことで、通常24時間運転とされ、原則として新築時に設置しなければならない。 |
底地権 | ある土地に借地権が設定されているとき、この土地の所有者が持っている土地所有権のことを「底地権(そこちけん)」と呼ぶことがある。 |
代表者印 | 会社の代表取締役の印鑑であって、登記所に対して印鑑届けを行なった印鑑のこと。印影が円形であることが一般的なので、「丸印」とも呼ぶ。 |
立退料 | 借地・借家の明渡しの際に、賃貸人から賃借人に支払われる金銭のこと。 |
建売住宅 | 分譲宅地に建築され、敷地と一緒に販売される住宅のこと。 |
賃貸経営 | 不動産を賃貸する事業のこと。 |
賃貸併用住宅 | 自らが居住する建物空間(自己居住部分)と、賃貸の用に供する建物空間(賃貸部分)とが合わさって、一つの建物となっている住宅のこと。 |
月極(つきぎめ)駐車場 | ひと月単位で賃貸される駐車場。通常、書面によって賃貸借の契約が締結される。また、常時駐車が可能であれば、当該駐車場は車庫証明における保管場所として認められる。 |
定期建物賃貸借(定期借家) | 契約の更新がないことを特約した建物の賃貸借をいい、一般的には定期借家契約という。定期借家契約には更新ができない通常の定期借家契約と、更新はできないが再契約ができる(更新のようなもので言い方が違うだけと覚えればOK)定期借家の2種類がある。 |
東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例 | 東京都議会で2004(平成16)年3月31日に可決成立し、2004(平成16)年10月から東京都内で施行された、住宅の賃貸借の紛争防止のためのルールのこと。 |
東京ルール | 東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例の通称。 |
登録実務講習 | 宅地建物取引士資格試験に合格した者が宅地建物取引士の登録を申請しようとする場合には、宅地建物の取引に関して2年以上の実務経験を有する必要がある。しかし、この実務経験がなくても、登録実務講習実施機関が実施する一定の講習を受講し修了証明書を交付された場合には、登録を受けることができるとされている。この一定の講習を「登録実務講習」という。 |
特定優良賃貸住宅制度 | 「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」により定められた制度で、居住環境が良好な賃貸住宅を中堅所得者等に対し供給するための仕組みのこと。特優賃とも。 |
特約 | 特別の条件を伴った契約をすること。特記事項とも。 |
都市ガス | 市街地に配管したガス管によって広域に供給されるガス燃料。 |
徒歩所要時間の表示 | 不動産広告における距離の表示方法の一つで、一定の規則にもとづいて算出した主要施設から広告物件までの徒歩による所要時間をいう。 ※詳しくは上記の所要時間を参照のこと |
抜き行為 | ある依頼者(売主・買主・貸主・借主)が、ある宅地建物取引業者との間で媒介契約または代理契約を締結しているにもかかわらず、他の宅地建物取引業者がその依頼者を誘引して媒介契約または代理契約を締結すること。 |
旗竿地 | 袋地から延びる細い敷地で道路(公道)に接するような土地のことで、その形が竿のついた旗に似ていることから旗竿地と称される。 |
表示規約 | 不動産の広告に関する不動産業界の約束事であり、政府(公正取引委員会)が正式に認定したものを「不動産の表示に関する公正競争規約」という。不動産業界では一般的に「表示規約」または「広告規約」と呼んでいる。 |
ファシリティマネジャー | 保有する不動産などを適切に運営・管理する能力があると認められた者。特に企業経営において、不動産を有効に維持活用する必要に応える役割を担う。 |
不動産 | 不動産とは「土地及びその定着物」のことである(民法第86条第1項)。 |
不動産公正取引協議会 | 不動産広告の適正化を目的として、全国9ブロックで設立されている不動産会社の団体のこと。 |
不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約) | ※上記表示規約を参照のこと |
フリーアドレス | 席を固定せずに仕事をする働き方のこと。 |
フリーレント | 建物等の賃貸契約において、一定期間賃料を無料とすること。 |
プロパンガス | 都市ガスに比べて単位容量あたりの発熱量が大きいが、ガス器具の構造によって燃焼量が調整されているため、使用に当たっての火力は都市ガスとほとんど同じで、安全性も同等なプロパンやブタンを主成分とするガス燃料のこと。都市ガスに比べ使用量が高くなることが多い。 |
分譲 | 土地や建物を分割して譲渡すること。 |
併用住宅 | 居住の用に供する建物空間(居住部分)と、店舗、事務所など業務の用に供する建物空間(業務部分)とが合わさって、一つの建物となっている住宅。 |
弁済業務保証金分担金 | 宅地建物取引業者がその取引により生じた債務に関して当該業者に代わって弁済する業務を行なう団体(宅地建物取引業保証協会)に対して、その加入者が負担する金銭のこと。 |
保証会社審査 | 家賃等の保証契約を締結する際になされる審査をいう。連帯保証人なしで住宅を賃借する場合に必要となることが多く、現代はほぼこの形。 |
保証金 | 敷金と同じように借主に対する賃料債務等を担保するものであって債務がなければ退去時に返還されるものと、権利金、礼金と同じように一時的な対価として支払われ退去時に返還されないものとがある。 |
前家賃(前払家賃) | 建物の賃貸契約の際に支払う翌月分の家賃。ほとんどの家賃は月払いであるが、契約時には、契約月の家賃を日割り計算して支払い、さらに、前家賃として翌月分の家賃を加えて支払うことが多い。 |
認印 | 個人の印鑑であって、市区町村長に対してあらかじめ印鑑登録を行なった印鑑(実印)ではない印鑑のこと。シャチハタ印のような朱肉を別途必要としないものは使用できないことが多い。 |
ミニマリスト | 過剰・余分なものを持たないことによって、簡素でゆったりした生活を送ることができるとする、できるだけ物を持たないライフスタイルで暮らす人。 |
元付け | 宅地建物の売買の仲介において、顧客から直接に売買の依頼を受けている立場にあること。 |
ライフライン | 電気・ガス・水道等、通信設備、人の移動・物流手段などのこと。 |
リロケーション | 転勤者の留守宅を管理するサービス。 |
礼金 | 建物の賃貸借契約を新規に締結する際に、借主から貸主に対して、契約締結の謝礼として支払われる金銭。将来契約が終了し、退去する際にも、借主に返還されない。 |
REINS | 国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構(「指定流通機構」という)が運営しているコンピュータネットワークシステムの名称である。 |
まとめ
知っているようで、きっちりと定義された状態で理解できていない用語が意外と多いのではないかなと思っています。実際僕も今回今一度まとめてみると「あ、そうだったな」みたいな用語もありました。
間違って覚えてしまっていると、お客さまとの会話の際にミスディレクションが起きますので、営業があまりうまくいかなくなってしまいます。
そうならないためにも、ざっくりと知っておいたり、聞いたことがある程度にでもしておければ全然違ってきます。用語集は毎度言っている通り、全暗記する必要は全くありません。手が空いた時になんとなく目を通してみる程度で問題ありませんので、ぜひ一度は目を通すようにしてみてください。
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著者であるぼくが賃貸営業マンとして成功するために何を考え行動したのかのすべてをここに詰め込みました。できるだけ再現性、汎用性が高く、誰もがマネできることを一番に考えて執筆しています。
「絶対に成功してやる!」みたいなやたらとモチベーションが高い人向けというよりは、不動産賃貸営業マンになりたくてなったわけじゃなかったり、なってみたはいいけれどなんだかうまくいかないといった方に向けて書いています。